カードゲームの転売問題について

 はじめまして!今回こちらでブログを書かせていただきます、Kと申します。

ブログ投稿は初めてですのでどうぞお手柔らかにお願いします。

 さて、今回取り上げます話題は、最近ホットな転売問題について、その中でもトレーディングカードゲーム(以下TCG)について諸々書かせていただこうと思います。

以下目次となります。

 

 

各項目考えていた以上に長くなってしまったので、ここは読む必要ないなって思ったところはガンガン飛ばして読んでください。

 

そもそもTCG(トレーディングカードゲーム)とは?

 

 この記事を読む人の中にはTCGって何ぞや?って人もいるかもしれません。そこで、辞書より言葉の意味を引っ張ってきました。それがこちらです。

  

カードゲームのジャンルの一つ。ゲームに使用するカードセット(デッキ)を、メーカーではなく、ユーザーが決定するタイプのゲーム。略してTCGともいう。60枚入りのスターターセットと、10枚程度が入っているブースターパックに分けて発売されるのが普通であるが、どちらも入っているカードはランダム(不規則)である。カードの種類は300前後もあり、出る頻度によってレア、アンコモン、コモンなどに分類される。ユーザーがまれにしか出ないレアカードを自分のデッキにそろえるには多額の投資が必要となる。このためコレクションアイテムとしての性格もあり、ユーザー間での交換(トレーディング)も行われる。(以下略)

日本大百科全書より引用

 

 

 うーん、何とも言えない説明…。確かに詳細な説明だけれども初心者にわかるんですかね、これ…。

 ということで、自分なりに滅茶苦茶ざっくりとTCGを一言で表すならば、 

      カードのみを用いて行われるボードゲームないしTRPG

 こんな感じになると思います。正直これだと説明としては不十分だし、事細かく見ていけば色々と突っ込まれそうだけどとりあえず今回はこう捉えておいてもらえれば…ってことでここはひとつ。ちなみに、遊戯王とかポケモンカードゲームTCGの代表格なのですが、名前は一度くらいは聞いたことあるんじゃないですかね?(厳密に言うと日本語版遊戯王TCGではなく、O(officialの略)CGなんですけれどもね)

 さて、ここまでの話を聞いて「トランプと何が違うの」って思った読者も多いだろう。多いよね?多いに決まっている!(オタク特有の三段活用)

説明しよう!

 TCGはトランプと違い、数字とイラストのみのカードにルールを付与するのではなく、あらかじめ設定されたルールに沿ってカードに役割が与えられて(製造されて)いるのだ!

具体的にはこんな感じ…

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あらやだ、イラストで性癖バレちゃう!(迫真) まるで性癖の見本市だな…

 ちなみにこれ、全部違うTCGです。写真に挙げた以外にもまだまだ種類は

存在します。(興味を持ったら調べてみてネ)

 そんなわけでTCGによってカードデザインが全然違うんですよね。互換性もありません。これが特徴の一つでもあるわけです。

 先にも述べたように、カードの役割があるのもTCGの醍醐味ですね。ルールに沿って作られている以上、そこに「強い/弱い」という概念が発生します。当然強いカード欲しいですよね?それが後に説明する転売問題にも繋がるのですが…。

 ところで、先程イラストについて軽く触れましたが、これだけイラストがいいとゲームはやらずともイラスト目当てで集めたいって人もいるのではないでしょうか?

 そう、TCGのもう一つの特徴としてコレクション性というものもあります。これは昔のアイドルブロマイドやビックリマンチョコのブームを経験した層からするとおなじみの要素かもしれませんね。コレクション性が付与されるのはイラストに限った話ではありません。希少性やレアリティなんかも要因となっています。

 ちょっと長くなってしまいましたがTCGについての説明はここで終えまして、続いて転売についての説明に移ろうかと思います。

 

 転売とは?

 

 転売についてはマスクやPS5の転売で話題になっていたのでご存知の人が多いかと思います。直近だとプラモデルやフィギュアといったホビーを取り扱う日本の某雑誌の編集者が転売を容認するようなツイートをして数日後にクビになるといった騒動があったりと何かとセンシティブな話題になっていると思います。これを読んでいる皆さまにおかれましても転売屋のせいで購入したかった商品が買えず辛酸をなめた経験がある方もいるのではないかと思われます。かくいう私もその一人だったりします。(…思い出しただけで腹が立ってきたな)

 中には、「転売は悪だ!悪即斬!」「奴らを生かしてはおけない」「野郎オブクラッシシャアアアアア!!!」と過激に叫ぶ方々もちらほらといるかと思われますがステイ、ステイ。憎悪だけではどうにもなりませんで。

 ただ、ここがまた話を複雑化させているのですが、日本においては不正転売として法律で規制されるのはチケットの類だけなのです。つまりは、これに当てはまらない商品は規制対象ではないんですね。このことは踏まえておいていただければと思います。

とはいえ、当然褒められた行為ではないので皆は転売行為はやめようね!

 さて、転売について軽く概略を述べましたが一口に転売といっても先の騒動を見るに人によって解釈が分かれると感じました。そこで、今回こちらでは悪質な転売とは、

小売以外の存在が投機を目的とし、販売されている商品を必要以上に購入、不当な値段で売りつける行為」と定義させていただこうと思います。

 これまた人によって賛否を生みそうな定義ですが、本ページに限ってはこれをベースとしたいと思います。ここでは俺がルールだ

 

TCGと転売

 

 ここまでTCGと転売に語ってきましたが、(飛ばした人はすみません)ここでこの二つを絡めた記述を行っていこうと思います。

 ぶっちゃけた話、この項を設けず先の転売の項だけで次の話題に移ってもいいのですが、そうしなかったのは個人的な捉え方に由来するからです。

 TCGは、他の商品と異なり、シングルの取引が存在しています。シングル取引とはカード単体での取引です。古くは個人同士の交換から始まり、カードショップを介しての取引や、最近だとメルカリなどのフリマアプリを用いての個人間での取引なども行われています。当然のことながらこれは法的に認められた行為であります。ではこれが転売とどう絡むのか…。

 例えば発売されたばかりのパック(BOX)をそのまま不当な値段でメルカリやらAmazonといったプラットホームで販売したとします。先の定義に当てはめるのならばこの行為は悪質な転売であると言えるでしょう。では、それらを全て開封し、値段が高いカードのみを同プラットホームで売ったらこれは悪質な転売と言えるでしょうか?

 尚、この行為自体は転売屋ではない個人も行っていたりします。TCGは将棋やチェスとは違い、決められた駒のみを使用するゲームではありません。何をいくつ使うかそれらをプレイヤーの任意で決めることが出来ます。このような状況においては、どんなに強くてもコンセプトに合わなければそのプレイヤーが使用しないカードというものが生まれます。それを必要な人の為に売るというのは言うまでもなく発生しうる事象です。発売されたばかりのカードからそのような存在が発生するのも自明であります。そのような人と悪質な転売屋を区別することは果たして出来るのでしょうか。

 悪質な転売屋かどうかを判断する一つの基準として、最寄りのカードショップの取引額を参照して販売しているかどうかを見るというものがあります。ですが、本来カードはセットとしてメーカーが販売しているものであり、単体のカードには定価という概念が存在しません。カードショップが設定している価格というのも需要と供給を見越して設定された価格であり正解の価格ではありません。同じ系列のショップでも価格が異なるということはざらにあります。ではこのような状況の中で悪質な転売とそうでないものを見分けることは果たして可能なのでしょうか………。

 余談ですが、ショップによっては提示している額よりも何かと理由をつけて非常に低い値段で買取を行うこともよくあります。これを踏まえれば個人で取引を行える環境があるのならばそれを利用しようとする人が現れるのも当然の道理だと思います。(私は個人取引を行いませんが)

いやはや、非常に難しい問題だと思います。

 

【目玉企画】『まいログ』管理人ブロガーまい。さんにお話を伺ってみた!

 

ここまで読んでくださった皆さま。お疲れ様でした。ここから読む皆さまもお待ちかね!「『まいログ』の管理人、ブロガーまい。さんにお話を伺ってみた!」に移ろうじゃありませんか!それでは、目玉企画、レディー・ゴー!

 

 …とは言いましたものの、まず先に、『まいログ』並びに管理人であるブロガーまいさんについて簡単にご説明させていただこうと思います。

 TCG歴20年のブロガーまい。さんが運営するブログ、『まいログ』では遊戯王を始めとしたポケモンカードゲームデュエルマスターズなど話題のTCGに関連した記事を多数掲載!このブログをきっかけにTCGに興味を持った方でも普段TCGで遊んでいる方気になった方は是非アクセス!

https://www.tcg-bloglife.com/

 そして、本企画の内容を記述していくにあたり、ブロガーまい。さんが昨今の転売問題に対しどのようなスタンスでいるのか先に把握しておいていいかと思われます。該当記事のURLを貼っておきますのでそちらからお読みください。

https://www.tcg-bloglife.com/entry/2021/04/03/%E3%80%90%E9%81%8A%E6%88%AF%E7%8E%8B_%E8%BB%A2%E5%A3%B2%E3%80%91%E5%95%8F%E9%A1%8C%E7%82%B9%E3%81%A8%E5%B9%B4%E6%9C%AB%E5%95%86%E6%88%A6%E3%83%BB%E5%A4%8F%E5%95%86%E6%88%A6%E5%A2%97%E7%94%A3%E3%81%AE

 

 それでは改めまして、企画に移ろうと思います。本企画ですが、ブロガーまい。さんにいくつか転売に関する質問を行いそれに対する回答をしていただくという形になっております。ご協力いただいたブロガーまい。さん、本当にありがとうございました。

それでは第一の質問、

Q.2018年にポケモンカードゲーム(ポケカ)が急激に流行り始めた時期からTCGの転売問題が深刻化したように感じていますが、実際のところTCGの転売問題が深刻化したのはいつ頃だと考えていますか?また、過去にTCGの転売が問題視されたことはあったのでしょうか?

 

A.転売に関しての深刻化は大分昔からありました。ただ一般的に普及したり有名になったりした点で大きく反響が出たのは慧眼の魔術師の100枚転売だったかと思います。

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がわ゛い゛い゛な゛ぁ゛慧眼の魔術師ち”ゃ”ん”(突然のキモヲタ化)

昔より転売が問題視された事はありましたが個人サイトで批判して大きく話題になったり取り上げられた事例は少ないものでした。現在でもTCGを資産としてあつかうサイトなど「転売自体を種にした記事の量産が多い」現状もあります。

当時くらいのネタで言えば2016年代付近から深刻化していたと考えます。この辺りで個人ブログが増えて転売が見直されている時期だったかなぁと。ポケカの深刻な転売は500円スタートデッキが顕著でしたのでもう少し後でした。一般的に普及・資産価値としての転売が増えた時期は遊戯王20THシークレットレア*1からですね。昔に指摘してましたが「高額カードを作る事で価値を付与し再販などを行ってユーザーに広げないといけない」。という発言がくみ取られたのかは不明ですが・・・この時期から「誰でも数万円を稼げるようになる」ような扱いで発信され始めたかと思います。また、ホルアクティ・カナン*2など『高額商品に対しての転売』なども含めるとちょっと幅が広すぎますね・・・・・。Vジャンプ*3転売などがいい例かなぁと思います。

 

第二の質問です。

Q.転売ヤーに対する対抗策としてユーザー間では人気のない商品(遊戯王ですとセレクション10)を買わせて損させる方法が話題になっていますがこれについてはどのように考えていますか?

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A.あれは結構面白いなぁと思いましたが、モラル的にそれがいいのかどうかってのは分かりません。インフルエンサーが株を買わせるように「情報弱者を釣る行為」に変わりないので自分は参加しないスタンスでした。もちろん転売はダメですが、それに近い行為だとは思っています。それがまぁ大人が言ってるとなると・・・って思ったりしたので、話題にはなりましたが複雑でした。またそれを市場的に見ると「TCG市場は転売ヤー転売ヤーを騙すツイートでにぎわう」地獄絵図みたいなものになるので、瞬間的には良く見えても解決策とはちょっと違う気がします(笑)人気のない商品が売れないのは転売ヤーのせいではなく、公式のラインナップとかそういったものもありますし、カスタムパック01*4とかまさに「転売ヤーがいたから在庫が余った!!!」って商品でもありませんので・・・。

 

第三の質問です。

Q.転売行為が問題視されている中で各企業が希少性の高いカード(デュエマですとQRコード付き応募カード)をパックに封入している件についてはどのように考えていますか?

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当たりはこのカードの右下部にQRコードが付いている

A.これに関しては良い制作だなぁと思っています。遊戯王とかではパック配布などがあったんですが、あれは透けて見えるのでサーチ*5が可能であり悪用されたもののコッチはそういった事が起きない仕様になっていますし・・・ただ詐欺関連の問題が起きそうな点はあるのでこればっかりはどうしようもないかなと思います。QRは隠せて、かつそのまま応募できるという側面もあったりしてネットオークションでの民度性とかを問われないかは心配です。希少性の高いカードを封入しているという面は「コロナ禍での新しい売り方、投資としての市場に変化した事での販売」である事もあるので気持ち的には「遊べる宝くじ」のようなものに思っています(笑)良くも悪くも「子供」が買える位のシングル価格まで下がるようなゲームになるのであればそれは良しかもしれません(それが出来ない問題はさておき・・・)

 

いよいよ最後の質問です。

Q.転売ヤーから買わない以外の方法でユーザーと小売が出来る転売に対する対抗策としてどういったものが挙げられるのでしょうか?

 

A.とりあえず効果があるものは、ユーザーと小売りでの転売の対抗策はシュリンクを外して販売するなどの行為を挟むこと。「TCGはそれでも買う人が一定数」いるんですが新品未開封とならないので『転売』は防ぐことが可能です。カードショップで買う事で「アド*6を取れるようにする」のが一番なのですがこれも難しい点で解決策が「信用性のあるオリパ*7」などで売り上げを維持するのが最適解だと思っていました(なので個人的にPRなどでは企業でのオリパを推奨している訳です)。ただフリマなどの転売が「一番早く、大手に出来ないシングル価格を提供できる」のが事実であって「個で勝負する時代」というのは結構前から日記で挙げてたりします。

 

 

質問並びに回答は以上となりますので、最後の締めへと移ろうと思います。

 

最後に

 

 目玉企画の方、いかがだったでしょうか。個人的に把握していなかったところにまで深く答えてくださったので大変実のある企画だったと思います。これを読んでいる皆さまにも「なるほどな」と思うような話があったのなら幸いだと思います。

 そして、この記事全体の統括となるのですが、本記事にはTCGや転売というものについてよくわかっていない人にも伝えられるようにすることをコンセプトに書き綴ってきました。この記事がTCGを取り巻く転売問題を通して読み手自身に関係のある商品の転売問題に対してや、転売問題そのものに対する気付きへの一助となればといいなと思います。

 最後になりましたがこの場をお借りして謝辞を述べさせていただきます。まずはここまで読んでくださった皆様、読みにくい部分が多々あったと思いますがここまでお付き合いいただきありがとうございました。そして、インタビューを快く引き受けてくださったブロガーまい。様、重ね重ねになりますがご協力いただき心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。それでは!

*1:遊戯王OCG20周年を記念して作られた特殊なレアリティ。封入率が低く、高額で取引されている。

*2:二種共に元は特典だったカード。その希少性から非常に高価な値段で取引されている。

*3:集英社から発行されている雑誌。この雑誌に付録として同梱される遊戯王カードが軒並み強く、このカードをめぐって冊子が品薄になったり、高額取引されていたりする。

*4:遊戯王のなかでもそこまで強くないカードばかりを収録していることで有名なパック

*5:パックの厚みや感触、その他の要因を探ってレアリティの高いカードが封入されているパックを探そうとする行為。店によっては禁止することもある非推奨行為

*6:アドバンテージの略。TCGプレイヤー間においては自分の欲しかったカードや高額なカードをパックで引き当てることを指す。

*7:オリジナルパックの略。カードショップや個人がシングルカードを封入し、くじのような形で販売している。